両親が亡くなった場合など、親族や友人に遺品の一部を贈ることを「形見分け」といいますが、
これが意外にトラブルが多いみたいです。
贈る方は、全くの善意であっても起こってしまう難しい問題です。
形見分けトラブルBest3
No.1 「なんであの人に!!!」
一番揉めるのが、誰に何を形見分けするかです。
故人と当人の所縁のものなどはいいのですが、金銭価値の高いものなどは揉めやすいものになります。
そういう場合は、故人の人間関係の深さを基に順序をつけて贈りましょう。
「お父さんはあの人ととっても仲が良かったから」など、説明をすれば納得してもらいやすいです。
No.2 「えっ!?税金取られるの?」
価値の高いものなら、もちろん贈与税が発生する場合があります。。
善意で贈ったのに相手に負担を強いる結果になってしまった、なんてことになりかねません。
価値の不明瞭なものなどは、事前に鑑定などを行い、金銭的価値をハッキリとしておいた方がよいでしょう。
No.3 「思い出の品を捨ててしまったの?」
1回忌などの際に、訪れた個人の兄弟や友人などに指摘されるケースがあります。
正直これを防ぐケースは難しいです。
このトラブルを防ぐには、打ち合わせをしておく、エンディングノートを準備する、など亡くなる前の準備が重要になります。
形見分けのルールやマナー
目上の人には贈らない
故人より目上の人に贈ることは失礼にあたると考えられます。
最近ではその考えも無くなりつつあるようですが、元々はそういったマナーがあることは覚えておいてください。
目上の人の場合は、当人から希望された場合のみ考えましょう。
金銭的価値の高いものは贈らない
前述しましたが、金銭的価値の高いものは贈与税が発生する場合があります。
また、価値の高いものを贈ることで、他社からの妬みなどを買う場合もあります。
どちらにおいても、贈られた当人に大きな負担を強いてしまう可能性があるので、
価値の高いものを贈る際は注意しましょう。
包装しない
形見分けの際は包装をしてはいけません。形見分けはプレゼントではありません。
品物によって、もし気になるようでしたら、紙でくるむなど簡単に済ませましょう。
形見分けは不用品処分ではない
贈る際は相手にとっても有益な品を贈りましょう。
使い道がないものや場所をとるものや汚れているものなどは贈るのを控えましょう。
どんなに思い出深い品であっても、“使えないけど捨てられないもの”は負担になることを考慮しましょう。
形見分けの時期は?
49日(神式の場合は50日)を過ぎて、忌中を抜けた後にするのが慣例になっています。
ただし、賃貸物件にお住いの場合など、早めに整理しなければならない理由がある場合は、その限りではありませんのでご安心ください。
最良の形見分けトラブル解決法
残された遺族の方では、誰に何を贈ったらよいのか分からないケースがほとんどです。
同居の家族ならともかく、住まいが別になっている家族が亡くなった場合などはどうしてよいかわからないと思います。
本当であれば、亡くなる前に遺言書、エンディングノート、生前整理(遺品整理)など、
家族で話し合う時間を作ることがトラブル回避の最も有効な方法です。
余談
遺族の方より、「父は愛煙家で、パイプや電子タバコなど、喫煙グッズがいっぱいあるんですが“形見分け”はどうすれば…」と相談されたんですが、
「形見分けせずに、棺に入れて差し上げたらどうですか。残ったものは供養するのがよいと思いますよ。」とアドバイスさせてもらいました。
贈られた方も使用には抵抗があるでしょうし、そんなに愛用されていたものであれば、一緒に送ってあげた方が故人も喜ぶと思いました。
残すばかりが供養ではないことも考えてみましょう。