玄関ドアには、片開き、引き戸など種類がありますが、今回は親子ドアについてのお話です。
親子ドアとは、通常のドア本体と子ドアがついていて、必要に応じて子ドアも開くことのできるタイプのドアです。(下図参照)
子ドアも開けることができるため、大きな家具を運ぶ際に便利です。
通常のドア(ドア本体)の幅は、メーカーや種類によって様々ありますが、およそ80〜85cm程度です。
親子ドアになると、開口部が120cm程度になります。
この親子ドアというものは、通常のシングルドアだと出棺の際に両側から支えながら出ることが出来ないから、そのために出来たものだという説があります。
これを人づてに聞いた時に、「へぇ〜」と思いました。
棺のサイズはおおよそ50cm。人が支えて立つには片側30cmとして、両方で+60cm。
合計で110cmが必要になる。
たしかに親子ドアならば、出棺の際にも苦労なく出ることが出来そうです。
ただし、気になったのは“風習”です。
日本には、ご飯茶碗と汁椀をを逆に置く、帯を縦結びにするなどの「逆さごと」という風習があります。
死者と生者の境界を分ける儀式ですね。
これにより、地域によって(ただし多くの地域で)、出棺の際には通常出入りする玄関からは棺は出さずに、縁側や窓から表に出すことが古くからの風習となっています。
ですから、出棺を理由に親子ドアができたというその話に違和感を感じたんですね。
実際は、大きな物の搬出などの利便性を元に開発されたのではないかと思います。
家を建てる際に出棺の都合を考える人は少ないのではないでしょうか?
ただ調べているうちに、それを正しいとする理由も考えられました。
それは、近年の住宅事情です。
昔のように大きな家や広い庭はなく、マンション・アパートなどの場合もあります。
そうなってくると、玄関以外から出棺するのは不可能となり、苦肉の作として親子ドアが生まれたのではないか?
こちらは少しこじつけに近い論になってしまいましたが、そう考えた人が冒頭の話を思いつき、密かに噂話となって語られている、と私は考えます。
正直、正式な答えを見つけることはできませんでしたが、分かった際にはまた書きたいと思います。